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2023.05.31

コラム

美濃焼とは?国内シェア50%を誇るやきもの

美濃焼は、岐阜県南部、東濃地方で生産されている陶磁器の総称です。日本最大の陶磁器生産地であり、その歴史は1300年以上前まで遡ります。美濃焼は、その多様なデザインと使い勝手の良さで知られており、国内外で人気があります。今回のコラムでは、そんな美濃焼の歴史や特徴についてご紹介いたします。

目次
1. 歴史:1300年前から続くやきもの生産
2. 特徴:多種多様な種類
3. 最後に:まとめ

歴史:1300年前から続くやきもの生産

古墳時代

美濃焼の歴史は古く、1300年以上前の古墳時代まで遡ります。美濃焼の始まりは、朝鮮半島から伝わった「須恵器」です。須恵器は素焼きの陶器で、ロクロで成形して1000~1200度の高温の穴窯で焼き上げます。東濃地方は緩やかな丘陵地が続き、掘りやすい地質のため、穴窯が多く作られ盛んに須恵器が焼かれたのでした。

平安時代

須恵器に代わり、灰釉陶器という、釉薬をかけたやきものがつくられるようになりました。須恵器より耐水性があるため、食器や貯蔵容器として生産され、貴族や寺社などに使われました。その人気は、東濃地方だけでは収まらず、全国へと広がりを見せます。

鎌倉時代

釉薬をかけない山茶碗が登場し、庶民にも広く使用されるようになりました。また鎌倉時代は、茶の湯が盛んになり、美濃焼は茶器として重宝されました。

安土桃山時代

鮮やかな色と自由なデザインが特徴の織部焼が、茶人である古田織部によって作られました。織部焼は当時の茶会で人気を博し、美濃焼の代表的な焼き物の一つとなりました。

江戸時代

茶道具以外にも日用雑器が大量生産されるようになりました。また、コバルトを主原料とする絵具で文様を描いた色絵や染付などの新しい技法が開発され、美濃焼の種類はますます豊かになりました。

明治時代

西洋の文化が日本に伝来し、美濃焼のデザインにも西洋の影響が見られるようになりました。また、電動ロクロや石炭窯などの登場により工業化が進み、短時間で大量に生産できるようになりました。絵付けについても、熟練の絵付師がいなくても美しい模様を大量に生産する技法(型紙摺絵・銅板転写など)が普及し、染付磁器の主流となりました。さらに、輸出入が盛んになり、美濃焼は海外で優れた評価を受けました。

昭和時代以降

生産量が国内シェア1位の50%を占めるようになりました。

特徴:多種多様な種類

美濃焼の特徴は、「特徴がないこと」と言われます。というのも、他の産地の場合ははっきりとした特徴があるのに対し、美濃焼は多種多様なやきものが生産されているため、一概に特徴を挙げることができないのです。
それでは、美濃焼にはどのようなものがあるのでしょうか。特に有名なものをいくつかご紹介します。

【瀬戸黒】
焼成中の窯から引き出して急速に冷却させることで黒色に発色する陶器で、その重厚な質感と落ち着いた色合いが特徴です。
【黄瀬戸】
淡い黄褐色の釉薬を用いた陶器で、明るく華やかな色合いが特徴です。
【志野焼】
日本人が作り出した初めての白いやきものと言われています。白い陶器に青や緑などの色をつけた、繊細な色合いが特徴です。
【織部焼】
既成概念にとらわれない自由な発想で作られた独自色の強い形や文様の陶器です。鮮やかな色と自由なデザインが特徴です。

他にも、灰釉、天目、御深井、染付、赤絵、青磁、鉄釉、粉引、飴釉、美濃伊賀、美濃唐津の15種類が、経済産業大臣により伝統工芸品に指定されています。伝統工芸品に指定されているだけでも15種類もあるとは、本当に美濃焼が多種多様にわたるということがその数字で見てお分かりいただけるかと思います。

最後に:まとめ

美濃焼は、日本の伝統工芸品であり、日本の文化を代表する陶磁器です。その魅力は、多様性と使い勝手の良さにあります。美濃焼には、様々な種類があり、それぞれに独特のデザインと色があります。また、丈夫で使いやすいのが特徴で、日常使いに最適です。美濃焼は、その美しさや使い勝手の良さから、国内外で愛されています。

井元産業では、美濃焼をはじめとする多種多様な日本の陶磁器や焼き物を扱っております。詳しくは「取引実績・商品」ページをご覧ください。

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