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2025.08.28
コラム
急須とは?特徴・使い方・素材別の魅力と選び方
日本茶を楽しむときに欠かせない道具といえば「急須」。その中でも最も代表的な形が「横手急須」です。急須の横に取っ手がついているこのスタイルは、日本茶文化を象徴する存在として、長く愛されてきました。今回のコラムでは、横手急須の特徴や使い方、素材の違い、有名な産地、茶こしの種類、さらには土瓶や後手急須など他の茶器との違いについてご紹介します。
目次
1. 横手急須の特徴と使いやすさ
2. 急須の素材と味わいの違い
3. 有名な急須の産地
4. 茶こしの種類と違い
5. 他のお茶を淹れる道具との違い
6. まとめ
横手急須の特徴と使いやすさ
横手急須とは、本体の側面に取っ手が付いた急須のことを指します。注ぎ口と直角に取っ手が配置されているため、手首を大きくひねらずにお茶を注げるのが特徴です。右手で取っ手を握り、そのまま親指でフタを軽く押さえながらお茶を注ぐのが基本的な使い方で、片手だけで安定して扱えるため、動作がとても自然で心地よいのが魅力です。
また、片手で持ちやすいように設計されているため、容量はおよそ400mlまでのものが多く、一人分から数人分のお茶を淹れるのに適しています。少量でもしっかりと風味を引き出せるため、家庭での日常使いはもちろん、来客時のおもてなしにも重宝されます。
急須の素材と味わいの違い
急須は素材によっても大きく性質が異なります。
・陶器製(常滑焼・萬古焼など)
多孔質で適度に茶葉の渋みを和らげ、旨味を引き出す効果があります。使い込むほどに風合いが増し、愛着が深まります。
・磁器製(有田焼など)
表面が滑らかで香りをクリアに楽しめるのが特徴。煎茶や玉露など、繊細なお茶に適しています。
・ガラス製
茶葉の広がりや色を目で楽しめるため、特に緑茶の美しい色合いを鑑賞するのにぴったりです。夏場の冷茶にもよく合います。
素材ごとの特徴を理解すると、茶葉に合わせて最適な急須を選ぶことができます。
有名な急須の産地
日本各地で作られる急須は、産地ごとに独自の魅力があります。
・常滑焼(愛知県)
日本最大の急須の産地。鉄分を多く含む赤土は、お茶の渋みをやわらげる効果があるとされます。無釉の「朱泥急須」が代表的です。
・萬古焼(三重県)
耐熱性に優れており、丈夫で長く使えるのが特徴です。また、土が持つ適度な吸水性によって、お茶の渋みやアクをやわらげ、まろやかな味わいに仕上げてくれます。黒や紫がかった落ち着いた色合いも魅力です。
・有田焼(佐賀県)
磁器製の急須が有名で、白磁の美しさと繊細な絵付けが魅力です。インテリアとしても高い評価を得ています。
それぞれの産地の個性を知ることは、急須選びの楽しみをさらに広げてくれます。
茶こしの種類と違い
急須には「茶こし」が欠かせませんが、その種類によっても使い心地が異なります。
・ささめ(陶製茶こし)/セラメッシュ
急須本体と一体化している陶器で作られた茶こしです。茶葉本来の風味を損なわず、まろやかな味わいに仕上がるのが特徴です。セラメッシュと呼ばれる微細な穴のタイプもあり、細かい茶葉でも目詰まりしにくく、すっきりと注げます。
・ステンレス製かご網(取り外し可能)
急須の口にセットするタイプで、茶殻を簡単に取り外して洗えるため、お手入れがしやすいのが魅力です。大きめの茶葉に向いており、扱いやすさを重視する方におすすめです。
・ステンレス製内蔵型(取り外し不可)
急須の内部にステンレスの茶こしが一体化しているタイプです。広い面積で茶葉を受け止めるため、お茶の抽出効率が高く、均一な味わいに仕上がります。取り外しはできませんが、洗いやすさと実用性に優れています。
お茶の種類や使用シーンに合わせて茶こしを選ぶと、さらに快適にお茶を楽しめます。
他のお茶を淹れる道具との違い
急須以外にも日本にはさまざまなお茶の道具があります。横手急須と比較することで、それぞれの特徴が見えてきます。
・後手急須
取っ手が注ぎ口の後ろについているタイプで、欧米のティーポットに近い形。海外の人にとっては親しみやすいスタイルです。
・土瓶
大容量で取っ手が上にあり、煮出しや麦茶用として日常的に使われます。丈夫で実用的なのが魅力。
・宝瓶(ほうひん)
取っ手がなく、直接手で持って注ぐ小ぶりの急須。玉露や高級煎茶など、低温で丁寧に淹れるお茶に適しています。
このように、それぞれの茶器には役割と特徴があり、横手急須は「日常的に最も使いやすい日本茶のための急須」として位置づけられます。
まとめ
急須は、日本茶の文化を象徴する伝統的な道具でありながら、現代の暮らしにも自然に溶け込む実用性を備えています。特に「片手で扱いやすく、容量も日常的にちょうどよい」という点は、横手急須ならではの魅力です。さらに素材や茶こし、産地の違いを知ることで、お茶の味わいをより深く楽しむことができるでしょう。また、土瓶や宝瓶といった他の茶器との違いを理解することで、日本の豊かな茶文化への理解もさらに広がります。お気に入りの急須を見つけて、日本茶の魅力をより一層味わってみてはいかがでしょうか。
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