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2023.02.06
コラム
有田焼とは?伝統有田焼と現代の有田焼
目次
1. 有田焼とは
2. 有田焼 -伝統有田焼-
3. 有田焼 -現代の有田焼-
4. まとめ
有田焼とは
「有田焼って有名だよね、あと高級なイメージ。」
「でも有田焼って名前は聞いたことあるけど、どの様なものか分からない。」
多くの人が有田焼についての認識はこのような感じだと思います。
今回のコラムでは、知ってそうでよく知らない有田焼について解説していきます。
有田焼はその名からわかる通り、佐賀県有田町を産地とした陶磁器製品の総称です。有田焼の歴史は1600年代頃から始まり、400年の歴史の中で時代と共に変化してきました。今回のコラムでは”伝統有田焼”と”現在の有田焼”を分けて記していきます。
有田焼 -伝統有田焼-
有田焼の発展は1600年代に白い磁器の焼成に成功したことが始まりでした。現代では当たり前に見かける白い器ですが、かつては白い器を作ることができず、白の器に憧れた時代が長く続いていました。1600年代に入り豊臣秀吉の朝鮮出兵・撤退をきっかけに、当時の肥前佐賀藩の藩主”鍋島直茂”が多くの朝鮮陶工を日本(主に九州地方)に連れ帰ります。その朝鮮陶工の中の一人、李参平が有田で白磁鉱を発見し日本で初めて白磁の焼成に成功します。
白い磁器の焼成が可能となると、絵付けの技術の発展と共にこれまで作ることができなかったコントラストの強い磁器製品が増えていきました。最初は中国景徳鎮の藍一色の染付磁器の模倣から始まりましたが、後に中国から伝わった上絵技法(赤色・緑色などの表現)を有田ならではのデザインに昇華し、「柿右衛門様式・鍋島様式・古伊万里様式・金襴手様式」が産み出されました。
1653年、有田焼はオランダ東インド会社によってヨーロッパ諸国への輸出が開始されます。ヨーロッパで有田焼は、王侯貴族の間でステータスシンボルとされていました。絢爛豪華な有田焼はその美しさから世界で人気を博しその名を世界に広めました。
有田焼 -現代の有田焼-
現代の有田焼は技術の向上・原料の多品種化と生産に必要な環境が充実しています。伝統的な有田焼をつくる窯元(生産メーカー・作家)から時代のニーズに合わせた新しいデザインをつくる窯元とあり、その種類は「形状・絵柄・釉薬」からなる表現で様々です。産地による特色というよりは各窯の得意とする技術の方が際立ち、生み出される製品も各窯の個性の方がデザインとして見て判別が付きやすくなっています。
現在、有田で作られる陶磁器をチャート表にしてみました。
チャート表から分かる様に、現在有田焼はおおまかに分けて、「装飾品的要素の強い伝統有田焼」と「普段使い要素の強い新しい有田焼」とあります。新しい有田焼は、
「シンプルなデザインであえて釉薬をかけていない菊の花の形をしたお皿」
「色釉薬を使った雑貨店にありそうな鍋やマグ」
「伝統有田焼の繊細な筆使いとは違う可愛らしい猫や富士山の湯吞・マグ」
など伝統有田焼にとらわれない各窯の得意とする表現がいろいろあります。
※チャート表にある有田焼は一部で他にもたくさんの種類があります。
まとめ
伝統有田焼も現代の有田焼も見ていておもしろく、各窯日々新しい表現に挑戦しており毎年新しいものが生まれます。伝統を継承しながらも新しいものにも挑戦している有田焼は今や1つの形ではくくることができません。今後もまた新しい有田焼の在り方に期待していきたいです。
井元産業では有田焼をはじめとする多種多様な日本の陶磁器や焼き物を扱っております。詳しくは「取引実績・商品」ページをご覧ください。
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