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2024.10.25

コラム

抹茶碗 基本的な6種の形と特徴

 

目次
1. はじめに
2. 抹茶碗の形
_2-1. 部位の名称
_2-2. 基本的な形
_2-3. 口の形の違い
3. 初心者向け抹茶碗を選ぶ際のポイント
4. さいごに

はじめに

近頃、抹茶の人気が日本のみならず海外でも高まっています。主には、抹茶ラテや抹茶味のお菓子などといったカジュアルな楽しみ方がブームとなっているようですが、一方で、抹茶碗と茶筅を使って茶を点てる、本格的な抹茶の楽しみ方も関心が持たれ、世界各地に、抹茶や茶道の道具を扱う専門店が増えてきています。
今回のコラムでご紹介するのは、茶道に欠かせない道具の一つである抹茶碗です。様々な形、種類があり、それぞれ使い勝手が異なったり、適した季節やシーンがあったりなど特徴があります。本コラムを通して、それぞれの魅力や特徴を知っていただき、ご自身に最適な抹茶碗を見つけられるきっかけとなれば幸いです。

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抹茶碗の形

部位の名称

まずは、抹茶碗の各部位の名称についてです。
下記左側の図は横から抹茶碗を見た図です。飲み口の部分を口、側面を胴、胴の下の底に向かう部分を腰、碗を支える下の部分を高台(こうだい)といいます。また、右側の図は抹茶碗を斜め上から見た図です。抹茶が入る部分を見込み、抹茶を飲んだ最後に茶が溜まる部分を茶溜りといいます。

基本的な形

抹茶碗には、個性豊かな様々なデザインがあります。ここでは、基本的な形6種類をご紹介いたします。

① 碗形(わんなり)
ご飯茶碗や木製のお椀にも見られる、一般的な碗の形です。手に持ったときに、馴染みやすい形をしています。口から高台脇までのなだらかで柔らかな曲線が持ち味です。茶筅を回しやすく、抹茶が中心に集まる形状なので茶を点てやすいです。

② 井戸形
朝鮮半島から伝わった高麗茶碗の一種です。高台が高く、飲み口に向かって広がっていくすり鉢型をしています。丸みが控えめで、お茶を点てやすいのが魅力です。昔から、茶人の中では格の高い茶碗として知られています。

③ 平形(ひらなり)
横から見たときの平たい面が特徴です。口が広く見込みが浅いため茶が冷めやすく、夏向きの茶碗として用いられます。夏茶碗とも呼ばれます。見込みが浅い分、茶を上手に点てるには慣れが必要です。

④ 筒形(つつなり)
胴が真っ直ぐな円筒形をしています。見込みの深さが特徴で、茶が冷めにくいことから冬向きの茶碗として用いられます。厚みのあるものの方がより温かみを感じ、良いとされています。深筒形ともいいます。

⑤ 半筒形
筒形の中でも見込みの浅い茶碗で、筒形の七分目くらいの高さです。どの季節にも用いられます。高さが低く安定感があり、口は広く扱いやすいのが特徴です。見た目にも存在感があり、使い勝手が良い茶碗です。

⑥ 輪形(りんなり)
全体的に包み込むような丸み(輪)を帯びた形をしているのが特徴です。口がすぼんでおり(姥口)、熱や香りを逃がしにくいつくりとなっています。

口の形の違い

口の部分も形が大きく3種類(内向き、外向き、まっすぐ)に分けられます。

・内向き:姥口(うばくち)
口の部分が少し内側に入っている形です。口の部分が他の茶碗などに当たらないため、割れたり欠けたりしにくいです。内側向きの形のため、一口飲んだ後に残りのお茶が碗の中に戻りやすく、茶碗の外側に抹茶が垂れにくいです。数回に分けて飲む抹茶に適したつくりで、抹茶碗の中では一番多いつくりです。

外向き:端そり(はたそり)
口が少し外側に反っているため、抹茶が口の中に流れこみやすいです。一方、勢いよく流れすぎることもあり、こぼれたり、抹茶の戻りが悪く、外側に垂れたりしてしまうことがあるので注意が必要です。また他の食器と当たって割れや欠けになりやすいこともデメリットですが、その美しい形に魅了され好む方も多くいます。

まっすぐ:直口(すぐくち)
茶碗の素朴な口触りを楽しむことができます。飲み方を特に気にせずに、抹茶の味や抹茶碗の口触りをシンプルに楽しみたいという方にオススメです。

初心者向け抹茶碗を選ぶ際のポイント

これから初めて抹茶碗を買うという方は、抹茶碗を選ぶ際に、お茶が点てやすく、持ちやすく、安定感のあるものを選ぶことをオススメします。チェックすべきポイントは下記の通りです。

・見込みの広さ
見込みが広いと茶筅を振りやすく、手際よく美味しいお茶を作ることができます。見込みが狭いと混ぜにくいため、慣れが必要となります。

・大きさと重さ
茶道の中で、片手で持つ場面があります。もちにくい大きさや重さだと、茶碗を落としてしまうことがあります。逆に軽すぎるものの中には、厚みが薄くて、湯を入れて持つと熱くて持てなくなってしまうものもあります。また、軽すぎると安っぽく感じてしまうこともあるため、手に取ったときに茶碗の存在感を感じられるしっくりくる重みのものを選ぶと良いでしょう。

・表面の素材
ざらざらしたもの、ツルツルすぎるものはオススメしません。ざらざらのものだと、茶筅が引っかかってしまうことが多く、ツルツルすぎても茶筅が滑って抹茶粉末とお湯がよく混ざらないためです。

・高台の安定具合
しっかり安定するものを選ぶと、茶を点てやすいです。お客様にとっても、茶碗を倒してしまわないかという心配がいらなくなるため、過度に大きく、ゆがみがないものを選ぶことがオススメです。

さいごに

抹茶碗には様々な形があり、それぞれ特徴があることをお分かりいただけたかと思います。
茶道には様々な流派や作法があり、大切にしていきたい日本の伝統文化ですが、抹茶碗と茶筅さえあればご自宅のテーブル上でも、十分気軽に抹茶をお楽しみいただけます。是非お気に入りの抹茶碗を見つけて、抹茶の味や香りとともに、抹茶碗の鑑賞や過ぎゆく時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。今回ご紹介したように、季節ごとにぴったりな形や絵柄の抹茶碗を使い分けてみるのも良いかと思います。

井元産業では、様々なデザインの抹茶碗を取りそろえています。他にも陶磁器食器やキッチン用品、雑貨を取り扱っております。興味を持たれた方はぜひ取引実績のページもご確認ください。商品の詳細を確認されたい方は、お問い合わせのページからご連絡をお願いいたします。

(参照)
日本茶マガジン
リラクオーレ「茶碗の形と種類」
知欲 茶碗鑑賞のポイントと用語集

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