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2024.10.07

コラム

広州交易会―徒然

井元産業では、国内外の数々の展示会に赴き、実際に現場で直接商品の選定を行ったり、メーカーの担当者に質問したりすることで、迅速かつ安全性の高い取引を行っています。そんな展示会への参加経験が豊富な社員が、その歩き方や時代とともに感じる変化などをコラムにいたしました。

目次
1. はじめに
2. 規模
3. 歩き方
4. 変わったこと
5. おわりに

はじめに

貿易という仕事をしている以上、海外の展示会に行くことはほぼルーティンワークみたいなもので、中国、香港、台湾、フィリピン、タイ、ベトナム、アメリカ、ドイツ、イタリア…と気付けばあちこち行ってきたが、過去の記録を見返すまでもなく行く頻度が高いのは断トツで中国ということになる。私が担当しているペット用品関係の展示会だとChina International Pet Show (CIPS)やPet Fair Asia、雑貨業界だと上海の華東交易会等があるが、最初に頭に思い浮かぶのは何と言っても広州交易会である。

規模

中国全土の展示会の中でも代表格のひとつであろう広州交易会は毎年4月と10月に開催され、今年10月開催の資料には第136回と銘打たれている。第一回目の開催は1957年の事だそうだが、当初は1ヶ月も開催していたらしい。今は3期に分けられ、それぞれ5日ずつなので日数にしたら半分ではあるが、展示会の規模自体は比較にならないほど巨大化している事は想像に難くない。この67年の歴史の中で会場は何度か変わっているようだが、その度に会場は大きくなっていった事だろう。私が行き始めた2000年前後は今の会場ではなかったが、それでもその規格外のスケールに面食らった。今の会場に移行したのは2008年で、もちろんその時も私は行っているが、これからこの会場を歩き回るのかと思うと、それだけで半分疲れてしまった。ちなみに、昨年秋(第134回)は出展社数2万8千社、来場者数45万人、会場総面積155万㎡。まったくピンとこないが、破格だという事は分かる。さらに会場のまわりにも便乗開催の展示会が点在しており、その数も半端ではない。間違いなく網羅は不可能。

歩き方

雑貨という括り自体かなり広範囲のものを指すが、その雑貨業界の人が通う展示会だけあって、とにかく何でもある。同じ商品のブースが何10件もある。展示してあるサンプルのクオリティーの微妙な差やディスプレイの雰囲気、話をした担当者の印象やその内容等を判断基準としてどこがいいか見極めていくのだが、吟味しすぎると時間が無くなってしまう。それを商品ごとに繰り返すのかと思うだけで焦ってくる。どこまでも続く通路、その左右に軒を連ねる無数のブース。途中から商品を見ているようで見ていない。今日一日完走する事が目的にすり替わっていたりする。いくつかの会場は入口からエスカレーターで展示エリアまで降りていく作りになっており、降りながらそのエリアの全体像を俯瞰できるのだが、見ない方がいい。

変わったこと

昼時にブース内の真ん中の商談テーブルで弁当を食べる営業担当は今だによく見かけるが、ブースで煙草を吸う人はかなり減った。以前は紙のカタログをしこたま集め、重いスーツケースを引きずりながら空港でオーバーウェイトだと指摘され、追加料金を払ったこともしばしばだったが、今は電子カタログをメールしてもらうだけ。名刺もなくなりつつある。名刺を交換するのではなくWeChatのIDを交換する。サンプル購入の為に現金を出したら、おつりがないけどいいですか、と言われた。今どき現金を持っている事の方が珍しい(タクシーも同じく)。変わったなぁ、としみじみ実感する。まあ、これらの事象は広州交易会に限ったことではなく、中国のあらゆる展示会で散見される事だとは思うが。

おわりに

出展者も含めてこの会期中に一体どれだけの人がこの展示会場を行き来するのだろうか。交通機関もホテルもレストランも並みの受け入れ態勢では到底太刀打ちできない。さすが14億人の国だけあって大規模興行は慣れたものなのかもしれないが、とにかく世界中から買い付けに来る。欧米から、アフリカから、中東から、アジアから。昼食は会場内で済ますことがお決まりだが、いつ行ってもそんな各国のバイヤーで溢れかえっているのがマクドナルド。様々な国の人々の舌を満足させ、桁外れの人数を一手に引き受けてしまうそのサーブの速さはまさにうってつけの存在。そういえばどこの展示会に行ってもマックは必ずある。そしていつも賑わっている。これは25年前からずっと変わらないおなじみの光景…マックの話がしたい訳ではない。とにかく会期中はあらゆる物の消費が促進されるので、その経済効果がどのくらいなのか想像だにしないが(ちなみに会期中の界隈のホテルの宿泊費は通常の3倍があたりまえ)、国内に多大な潤いをもたらす限りこの先も広州交易会は続いていく。そして私も年2回当然のように赴く。

井元産業では様々な種類のキッチン用品、テーブルウェア、日用雑貨を取り扱っています。
詳しくは、「取引商品・実績」のページをご覧ください。

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